「でね、明日がそのクリスマスなんだよ」


並んで歩く知盛に、望美は嬉しそうに語りかける。


「…くだらないな」


「くだらなくなんてないってば! 明日は、絶対にパーティーしようね!」


「…神子殿の好きにするがいいさ」


楽しそうな望美に対し、知盛は気だるそうに言葉を発する。






雪が、ちらちらと舞い散っていた。














Mark   〜シルシ〜













「ん〜美味しかった!」


満足そうに紅茶を飲む望美に、知盛は呆れたように息を吐く。


「…よくそんなに食べれるものだ」


甘くて食えたものではないと、知盛は気だるそうにソファーに横たわる。


「女の子はね、甘い物は別腹なの! それに…」






知盛と一緒だから、余計美味しく感じたんだよ。






口には出さず、心で望美は語りかける。


「望美…?」


「今日はね、どうしても知盛と過ごしたかったんだ」


付き合ってくれてありがとう…と、望美はテーブルに残っていた皿を、
飲み終えたカップと共にキッチンへと片付け始めた。










この世界に戻ってきてから、知盛はとても器用だということがわかった。

家事全般も上手にこなし、隣近所とも上手くやっているようだ。

さすが…といった感じだが、
望美が居るときはあまりやろうとはしない。

面倒だから…ということらしいが、
望美としてはその方が嬉しかったりしていた。






こうして洗い物をしたり、知盛のために料理をしたり。

まるで知盛の奥さんになったようで、その瞬間が望美はとても好きなのだ。










「終わったぁ…っと」


タオルで手を拭き、望美はソファーの上の知盛の顔を覗き込んだ。


目を瞑っていた知盛は、ゆっくりと開く。


「じゃあ、もう行くね」


「もう…か?」


知盛はのっそりと身体を起こし、望美の髪を指に軽く巻きつけてそっと口付けを落とした。


「あんまり遅くなると親が心配するから…」


あ…と、望美は何かを思い出したようにバッグの中を探し始めた。






そして取り出したのは、筆箱サイズの長方形の箱。






クリスマス用に綺麗にラッピングされている。


「これ、クリスマスプレゼント! 気に入ってくれるかわからないけど…後で開けてね?」


少しはにかんだ笑みを見せると、望美はコートを羽織った。


マフラーを巻き、玄関へと向かい、帰宅の準備を始める。


「じゃあ、戸締りはちゃんとしてね」


念のために…と、奥の部屋に居る知盛に望美は話しかける。


すると、気だるそうに知盛は玄関までやってきた。


「…望美」


座り込みブーツを履こうとしていた望美を背後から抱き締め、
知盛はその唇を強引に奪う。


「ん…っ」


突然動きを奪われて望美は抵抗していたが、
次第にその口付けに酔い大人しくなっていた。






長い口付け。






知盛は望美と唇を重ねたまま、
その首に巻かれていたマフラーを手馴れた手つきで外した。


そして。


「…っん、知盛…?」


どうにか唇を離した望美は己の首元にそっと触れ、近くの鏡に目を移した。


マフラーの代わりに首元につけられたのは、
チェーンと綺麗な石のシンプルなネックレスであった。


その石は、まるで血のように真っ赤で。


「これ…」


「…どこかへ飛び立ってしまいそうな神子殿には、鎖が必要だと思ってな…」


クッ…と笑みを浮かべると、知盛は望美の耳元に唇を寄せて囁いた。






      お前は、俺のものだろう?






熱い吐息をかけられ、望美の唇は再び塞がれた。


「ん…っ」


ねだるように、望美は自然と知盛の首に腕を回していた。






いつも強引で、勝手で。

だが、熱くて…優しい。

この腕の中が、望美の居場所。






「知、盛…」


少し潤んだ瞳で望美が見つめると、知盛はその身体を軽々と抱き上げた。






      恋人の時間は、これからだろう?






笑みを浮かべ、知盛は寝室へ向かった。


















雪降る夜。

恋人たちの、熱い聖夜       



























久しぶりに書いたチモ創作ですvvいかがでしょう??
どんなんだったっけ?という感じで手探りで書いてしまいましたが…一応甘々になってるのではないかと;
えっとですね、あれは首輪代わりです(笑)ペットのイメージで…(オイ)

どうしてもチモだとエロくなるっていう…(笑)
ちなみに、望美ちゃんがチモにあげたプレゼントはですね…













静かに寝息を立てる望美の隣で、知盛を身体を起こし、箱を開けた。

望美がプレゼントした長方形の箱。






中に入っていたのは。






「クッ…さすがは神子殿だ…」


チャリ…と箱から取り出し、知盛はソレを眺める。






真っ赤な石がついた、シンプルネックレス。






望美の首につけたものと全く同じものだ。


「…目を覚ましたら、お前につけてもらうとしよう…」


意地の悪そうに…だがどこか嬉しそうに、知盛は笑みを浮かべた。













ということでございます(笑)
知らずにおそろい買ってるのとかを書きたかったんです!(笑)




















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